CRISPR~究極の遺伝子技術の発見~、合成生物学の衝撃、のKindle版が50%ポイント還元セールの対象に

セール期間は2018年5月7日まで。半額分ものポイントが還元されるので、気になってたけど未読の人はこれを機に是非一読を。

以下、すでに書籍版を二冊とも買って読了してしまった私による簡単なレビューを。

 

CRISPR~究極の遺伝子技術の発見~

生命に興味がある人に今一番オススメしたい本。

生命の設計図と言われるゲノム、それをヒトが簡単に弄ることが出来る時代になった。既にゲノム編集を使って農業や畜産の分野で新たな品種改良が行われている。中国ではヒト受精卵のゲノム編集が行われ、デザイナーベビーの誕生も夢物語ではなくなったと言われている。この技術が人類の未来にもたらすのは天国か、それとも地獄か…。まるでSF小説のようにも感じてしまうが、これは現実の出来事である。

この分野の第一人者が、研究の楽しさ、バイオテクノロジーの功罪をドラマチックに伝えてくれる本だ。CRISPRは何故すごいのかが知りたい人は必読であり、また研究に興味がある高校生には是非読んでほしいオススメの一冊である。読み終わった時、きっと生命とは何なのか考えてしまう。

 

合成生物学の衝撃

CRISPR本の次にオススメ。著者はSTAP事件のレポートで有名な須田桃子さん。

合成生物学とは生命を人工的に作ることを目的にした研究分野である。勿論、ヒトが一から完全な生命を合成することはまだ出来ていない。しかし生命の設計図であるゲノムは、微生物程度の単純なものならば既に作れる時代になっている。

生命の作製・改変が可能な技術、これが人類になにをもたらすのかを著者が新聞記者の視点から読み解いた本だ。ゲノム研究の専門家のインタビューも多いが、アメリカやロシアの軍事関係者の話にもかなりの分量が割かれており、一般向けのドキュメンタリー本であると言う印象を受けた。興味がある人はセールのうちに読むべし。

CRISPR/Casを使ったウイルス検査手法の開発を巡る熱いバトル

近年、研究者界隈で大きな話題になっているCRISPR/Cas。「核酸の認識と切断」からなるこの技術は、ゲノム編集に応用できるだけでなく、ウイルスを高感度で検出する手法に使えるのではないかと考えられています。

さて、CRISPR/Cas研究の第一人者として知られるJenifer Doudnaらのグループが「CRISPR/Cas12aが1本鎖DNAウイルス検出ツールとして使える」と言うことを示した論文を発表しました (Science, 2018)。さらに、 DoudnaらとCRISPRの特許で争っているFeng Zhangらのグループも同じ号に「Cas13とCas12aとCsm6が核酸検出ツールとして使える」という論文を発表しています (Science, 2018)。

この辺りの争いについてもう少し詳しく書いていきます。

 

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Googleのディープラーニングを使った健康診断

特殊なカメラを使って目の瞳から奥深くを覗き込むと、血管や神経が写った眼底写真を撮ることが出来ます。お医者さんはこの写真を使って目の病気や血管の状態を診断します。

眼底写真の診断の自動化が出来れば、お医者さんの負担が減るだけでなく、日々のヘルスチェックをする新たなガジェットの普及につながるかもしれません。

 

Google社とStanford大学は以前よりディープラーニングによる眼底写真の分析を試みています(JAMA, 2016Google Research Blog)。これを更に発展させ、284,335人のデータセットを用いて学習させ、独立した2つのデータセットを用いて検証した結果が昨年arXiv.orgで報告されました(arXiv, 2017Google Research Blog)。

上の図表にあるように、眼底写真から『年齢・性別・血圧・BMI・喫煙歴など』を読み取ることが出来ており、その精度の高さは注目に値します。人間では写真一つからここまでの情報を引き出すのは無理だと思われ、改めて機械学習の強さを感じさせられました。

 

参考文献

・Deep LearningのReview (Nature, 2015)

・アルゴリズムについての先行報告 by google

Batch Normalization(arXiv, 2015Qiita by @supersaiakujin

Rethinking the Inception Architecture for Computer Vision (arXiv, 2015Qiita by @aiskoaskosd)

・Deep learning sharpens views of cells and genes (Nature News, 2017)