「人工クモの糸の合成に成功!」と言うニュースを毎年見ている気がします。つい先日もNature Chemical Biology論文を元にしたネット記事が出回ってました。それについての解説です。
クモの巣は縦糸と横糸から成っています。縦糸は巣を支える丈夫な繊維であり、横糸にはネバネバした粘球が沢山ついていて獲物の虫を捉えます。
この粘球が付いた横糸は固体と液体の中間の特性、伸び縮みする繊維として振る舞うのですが、それがどうしてなのかはよく分かっていませんでした。
Gigazineにこんな記事が出ていたので元論文を流し読みした。
実験の背景として、クモ糸に亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、アルミ(Al)を導入して強度を上げるという先行研究が有る (Science, 2009)。「それならカーボンナノチューブとかグラフェンかけても強度を増せるんじゃね?」という発想らしい。