CRISPR/Casを使ったウイルス診断法の開発スピードが早すぎる

つい先日、CRISPR/Casを使ってウイルス診断が出来る、と言う2つの論文についてブログを書きました。

今日がScience誌にその2つの論文が載った日だったのですが、見るとそこにはなんと3つめの論文が。

これに触れないのも悔しいので簡潔に書きます。

 

 

CRISPR/Casを使ったウイルス診断法の概略

配列依存的に核酸を認識・切断するCPISR/Casシステムはゲノム編集ツールとしてよく知られていますが、SHERLOCK法 (Specific High Sensitivity Enzymatic Reporter UnLOCKing) と呼ばれる核酸増幅技術と組み合わせて微量のウイルスを検出する診断ツールとしても利用することができます

(Broad Institute より改変)

今号のScience誌に載った2報は、SHERLOCK法によるウイルス検出を、Casタンパク質を検討することでさらに発展させた、と言うものでした。

 

検体診断を見据えた手法のマイナーチェンジ

3報目の論文のミソは、SHERLOCKの相方としてHUDSON と言う方法を開発したと言うところです。シャレがきいていますが米国の研究グループによるものです。

HUDSON (Heating Unextracted Diagnostic Samples to Obliterate Nucleases) 法は、唾液や血液といった検体を熱処理してサンプル中のヌクレアーゼとウイルスを不活性化する、それだけの単純な方法です。SHERLOCK法で微量のウイルスを検出するためには専門的な核酸抽出を行わなくてはなりませんでしたが、誰でもどこでも簡単に出来るHUDSON法が開発されたことによって、検体診断にさらに有用になりました。論文では実際にデングウイルスを2時間以内に検体から直接出来たことを示しています。

 

3つの論文の投稿から受理まで

CRISPR-Cas12a target binding unleashes indiscriminate single-stranded DNase activity (Jenifer Doudna lab)
Received for publication November 29, 2017
Resubmitted January 22, 2018
Accepted for publication February 5, 2018

Multiplexed and portable nucleic acid detection platform with Cas13, Cas12a, and Csm6 (Feng Zhang lab)
Received for publication December 30, 2017
Accepted for publication February 7, 2018

Field-deployable viral diagnostics using CRISPR-Cas13 (Pardis Sabeti lab with Feng Zhang)

Received for publication January 2, 2018
Resubmitted February 20, 2018
Accepted for publication March 8, 2018
 

終わりに

有力紙に論文がバンバン載るのを見ていると、まさに世はCRISPRバブルと感じないわけにはいきません。ウイルス診断技術の次はどんな技術に応用されるのでしょうか。ワクワクします。

 

PS. CRISPR/Casがそもそも何かわからない!という人はJenifer Doudnaの本をまず読みましょう。半額セール中。

CRISPRは知ってるけどウイルス診断技術応用の流れがわからない!!という人はこの間書いたブログを読んで下さい。

 

PS2. 3本目の論文のPardis Sabetiさんを恥ずかしながら知らなかったのですが、イラン生まれの42歳Broad Institute女性教授(医師免許持ち、HHMI)というハイパーな人なんですね。

 

参考文献

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