組み換え表皮幹細胞シートの移植によるヒト表皮水疱症の治療に成功

これについては全くの専門外なのですが、素直に凄いと思ったので書きました。誤ったことを書いてしまうのもアレなので、難病情報センターからの引用がほとんどです。

 

 

表皮水疱症とは

表皮水疱症は、表皮~基底膜~真皮の接着を担っている接着構造分子が生まれつき少ないか消失しているため、日常生活で皮膚に加わる力に耐えることができずに表皮が真皮から剥がれて水ぶくれ(水疱)や皮膚潰瘍を生じてしまう病気です。

細胞内のケラチン5、ケラチン14、あるいはプレクチンに異常が生じると表皮細胞骨格の機能が破綻して表皮基底細胞が千切れるように水疱が生じる単純型表皮水疱症を発症します。細胞膜上のα6およびβ4インテグリン、17型コラーゲン、基底膜上のラミニンα3鎖、β3鎖、γ2鎖のいずれかに異常が生じると表皮と基底膜の接着機能が破綻して表皮と基底膜の間で水疱ができる接合部型表皮水疱症を発症します。

今のところ、表皮水疱症に有効な治療はありません。現在、表皮水疱症に対する治療法開発研究が進められています。

難病情報センター | 表皮水疱症(指定難病36)

 

トランスジェニック幹細胞移植治療

Michele de Luca博士らの研究グループは以前よりLaminin5-β3欠損を対象として研究を行っています。患者さん由来の細胞に正常なLaminin5-β3を発現させ、それを移植することで表皮水疱症の治療が出来うることを報告していました。

36歳男性LAM5-β3 E201KのフェーズI/II治験 (Nature Med., 2006)、 6.5歳児のフェーズI/II治験 (Stem Cell Reports, 2014)、そして今回の論文では2015年6月に行われた7歳児の成果を報告しています (Nature, 2017)。

この研究では約0.85㎡の表皮の再生に成功しており、再生した表皮は正常(引っ張りに強い)であることを21ヶ月フォローアップしています。プロトコルの詳細が気になる人は論文を見てください。

 

まだ症例が少ないこと、現時点ではおそらく高額治療であること、発現させた遺伝子の長期にわたる持続性の評価など、解決しなくてはいけないことは色々あると思いますが、希望が持てるニュースだと思いました。

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