夏のコミックマーケット、略して夏コミ。なんでも3日間で50万人以上が来場するらしく、インターネットを眺めていても、毎年とても盛り上がっているのが伝わってきます。
知り合いが化学本を売るというので、勇気を出して夏コミに人生初参加してきました。以下、そのレポートになります。
初めてのコミケ~評論スペースへ~
コミックマーケットと言う名前なので、アニメや漫画の同人誌だけが販売されてるイメージが有ったのですが、実は技術・電気・料理・日常など様々なジャンルの同人サークルが有ります。
アニメや漫画など、人気ジャンルの同人誌を買うために始発で会場入りすると言う話をよく聞きます。しかし科学系同人誌などの評論スペースはそこまで多くの人が集めるわけではなく、入場規制が解除されたあとでも本が残っているそうです。
このアドバイスに習い、正午に国際展示場駅に行きました。会場は大変広く入り組んでいるのでコミケ初心者には難解です。事前に会場図を眺め、サークルの場所を調べておくことは必須だと思います。
駅構内からホールまでずっと人混みに溢れていましたが、入場規制は既に解除されていたので、特に待つことはなく、目的のスペースにたどり着くことが出来ました。
コミックマーケット86当日写真二枚目。撮影:鈴木心さん #C86 pic.twitter.com/bmm6SeZ9Z8
— コミックマーケット準備会 (@comiketofficial) 2014, 8月 17
評論スペースは比較的空いてると聞いていたので、閑散とした空間を想像していたのですが、非常に沢山の人がいました。分子生物学会のポスタースペースの3倍程度の人口密度はあったと言えば伝わるでしょうか。そんな感じです。
幾つか科学サークルの本を見たのですが、その中でも面白かったものを紹介します。
ガチ化学レビュー同人誌
夏コミの一番の目当ては輝く分子。東西の博士課程大学院生を中心とした、化学系同人サークルです。新刊のコンテンツは「有機合成におけるエコノミー」「フッ素の特異性と生理活性のあれこれ」「化学物質の体内への侵入とその挙動」などと非常に専門性が高い内容になっています。
【拡散希望】有機化学系同人サークル輝く分子が夏コミに参加します。日程は8月17日(3日目)、ブースは東O24a。有機化学の総説本を頒布します。筆者は5人の有機化学関係者です。よろしくお願いします。写真は前回の同人誌のものです。 pic.twitter.com/6ILA9bbejt
— たけひろ@3日目東O24a (@takehiro) 2014, 8月 11
前回は100部刷った同人誌が昼過ぎに完売。それを踏まえて新刊は200部刷ったと言うことですが、僕が着いた13時頃には残り5部を切っていました。漫画やアニメの同人誌を買ったついでに化学本を購入する層が結構いるのでしょうか?ビックリです。
がんばるポスドクを応援する同人誌
次の目当ては月刊ポスドク。その名の通りポストドクター達によって書かれています。
表紙はゆるふわですが、コンテンツは「気をつけたい国際学会・留学落とし穴」「結婚・出産ラッシュ!こうしてワタシはのりきった」など、ポスドクじゃなくても読みたくなるコンテンツ満載!!
本の内容とは関係ありませんが、購入するとポスドクトートバックが付いてきて、購入した同人誌を入れるのに大変役立ちました。
こちらもtwitterでRTされてきて存在を知りました。当日初めて知ったのですが、僕のリアル知り合いも記事を書いていたらしい・・・あれっ。
実験機器擬人化同人誌
会場を見て回るうちに目に止まったのは、京都大学の博士課程大学院生を中心とした同人サークルChemical Walker。
特集はSTAP細胞。STAP細胞は本当に有るのか、また作成方法について検証してあり、結構読み応えがあります。イチオシのコンテンツは実験機器の擬人化「化娘コーナー」。NMRたん、SEMたん、IRたんなど色々な機械が擬人化されてます。解説はガチでした。
最後に少しだけ「博士的知識をひけらかしてみた」というコーナーが有りましたが、こっちは輝く分子バリにガチ研究解説です。個人的にはこっちの方向のコンテンツの充実も望みます。
終わりに
3日目にフラッと回っだけですが、例えば発酵、菌類、狩猟など、色々な同人誌を目にしました。事前にカタログを眺めてればもっと多くの科学系同人誌を見つけることができたかもしれません。
ネットで告知していないサークルも多いようなので、行くことで初めて出会える科学系同人誌もありそうですね。興味を持った人は、入場規制が解除された昼頃に勇気を出して飛び込んでみては?

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PS.科学系同人誌を読んで、ちょっと僕も出してみたくなったことは内緒です。
PS2.科学から離れるので載せませんでしたが、日本未発売キーボードのレビュー本なども面白かったです。また食べ物・育児の同人誌も興味深かったです。醤油に特化した同人誌、醤油手帳さんの新刊も売られていました。