トックリイカは釣りをしてるんじゃなイカ?

直接的に釣りをしてることを示したわけではないけど、ネタ的に興味深い論文があったので。

トックリイカの腕の謎

イカはその多くが2本の長い触手を持っています。触腕と呼ばれるこの触手には、通常4列のトゲつきの吸盤が並んでおり、この腕を使って餌を捕らえます *1

ところがトックリイカ (Grimalditeuthis bonplandi)*2 はちょっと変わっていて、その二本の長い触腕には吸盤もカギも筋肉もありません。とてもじゃないけどこの触腕が餌を直接捉えるのに適しているようには見えず、いったい触腕はどのような使われ方をしているのか、この謎に研究者らは長い間悩まされてきました。

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(Tree of Life Web Projectより転載)

この触腕を実際どう使っているかは直接見ないと分からないので「よし!じゃあ頑張って観察するぞ!!」と意気込んで (たぶん) 、研究者はメキシコ湾の水深1,000mまで遥々トックリイカを撮影しに行きました。

腕をルアーのように使って餌をおびき寄せている?

で、撮れた写真がこれ。なんか細い腕は光るらしいんですね。あとピロピロ動く。つまり「これはかの有名なチョウチンアンコウのようにルアーとして使っているのでは?!」と言うのが研究者の仮説です。

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この触手の動きに注目

では触腕の動きに注目して動画をご覧ください。この動きが作り出す水流は、甲殻類などの移動に伴う水流にそっくりらしいです (どうやって確認したんだろ)。

二本の細い触腕は直接餌を取るのに適さないが、それをルアーのように使い、筋肉がある8本の腕でエサを捕まえる。なんかあり得る気はしますが、「じゃあなんでトックリイカだけ特殊な進化をしたの?」って考えると不思議ですよね。
残念ながら本当に腕を使って釣りをしている証拠は撮れなかったようです。次回の撮影頑張れ!

終わりに

イカってSEXも変だし*3エサの取り方も謎だし本当不思議な生き物ですね。「これだけ生態が多様化していると、イカの種類の数だけ研究者がいるのだろうか…?」と考えてしまいます。

ところで上野の国立科学博物館の深海展*4には行きましたか?ダイオウイカが猛プッシュされてるので行かなイカ。

ドキュメント 深海の超巨大イカを追え! (光文社新書)

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PS.この論文も無償公開だから読むといいと思います。Fig少ないし。

PS2.書き終えたあとにナショナルジオグラフィックが既に記事にしていた事に気づいたじゃないですかやだー!

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