『細胞夜話』は自分のブログの師匠なのかもしれない

ブログで科学ネタを扱うようになってからおよそ半年経ちました。

今だから言えるけど、実を言うとこれまでの人生で『科学ブログ』というものをほとんど読んだことがありません。


科学ブログって自分から探しました?

ケムステーション』『有機化学美術館』『薬作り職人のブログ』『蝉コロン』など、10年選手レベルの科学ブログの存在を知ったのは2年前くらいです。一重に僕の勉強不足なのですが、まあよっぽど科学が好きな人でもない限り、自ら科学ブログなんぞ探さないのではないかと思ってます (そうでもない?)。

そんな不勉強な僕ですが、インターネットで唯一自ら望んで科学ネタを読んでいるサイトがありました。それがGEヘルスケアジャパンの細胞夜話・生化夜話と言うコーナーです。

細胞夜話・生化夜話と偶然出会った

前述したように自分はアクティブに科学ネタを求める人ではありません。しかし実験操作や試薬のことについてググることは良くあって、そうすると頻繁に細胞夜話・生化夜話と言うページが引っかかったのです。

細胞夜話は「細胞を扱う研究者が飲み会で話す余談のネタを提供する」ことをコンセプトとしてメールマガジンで連載されていたものであり、その次回作である生化夜話は今も連載中です。

無料・面白い・ためになる

「研究者の余談のネタを提供する」というだけあって、夜話にはかなり多くの研究トリビアがまとめられています。

例えば研究室で口伝になっているような実験手技、今や誰も気にしていない細胞の名前の由来、研究の秘話etc…。知らなくても研究できるけど知っていると更に研究が楽しくなる、そんな情報に魅せられて 研究をサボっては 忙しい実験の合間にも時間を見つけてはバックナンバーを読み漁っていました。

一人で書いてるとは思えない質と量

研究者向けに書かれているので前提知識が必要ですが、夜話は誰が読んでも面白いはずです。

ローリーの定量法を特によく使った研究者の1人が、同じ研究室にいた5歳年下のエール・サザーランドでした。サザーランドはローリーの定量法を多くの論文で採用しているのですが、ローリーが定量法を論文にしていなかったため、毎回”Personal communication”だとか、”an unpublished method of Lowry”だとか書かなければならず、説明に苦労することになりました。

数年後、我慢の限界に達したサザーランドの苦情により、ローリーは仕方なく自分の定量法を論文にすることにし、利点や特徴、その限界をしっかり調べて報告しました。

ローリー法は60年以上も前に確立された手法です(今も使われていますが)。そのトリビアをわざわざ調べ、原稿用紙10枚程度の文章を書き、なおかつ無料で公開している。これを称賛せずしてどうするのか?!

という訳で藤元さんを尊敬しております

一度GEの人と酒を飲んだことがありますが、その席で「○○夜話は弊社の藤元がほぼ一人で全て書いてるんですよ」と聞いて大変驚きました。あの量を、一人で、しかも8年も・・・。

科学業界にも沢山のメーカーが存在します。その中でもGEヘルスケアジャパンはこのコーナーがあるお陰で研究者に一目置かれていると勝手に思っています。

自分の科学ブログは誰かの影響を受けて始めたわけではありませんが、よく考えてみると○○夜話と共通するコンセプトが多いことに気づきました。無意識のうちに多くの影響を受けていたようです。

「科学に馴染みのないフォロワーさんが楽しくなるような科学ネタを最新の論文から提供する」ことを目指して始めたこのブログ。まだ質も量も期間も夜話には遠く及びませんが、偉大な先駆者の背を追いかけ続けながら続けていこうと思います。

何度も言うけど細胞夜話・生化夜話は全部無料ですよ

既に知ってた人も知らなかった人も、研究してる人もそうじゃない人も、夜話はぜひ読むべきコンテンツだと思います。

細胞夜話のバックナンバーを読むにはユーザー登録が必要みたいですね。僕は登録がめんどかったのと本を手元に持ちたかったので細胞夜話の書籍を購入しました。生化夜話が出版される日を心待ちにしています。

細胞夜話 (mag2libro)

細胞夜話 (mag2libro)

  • 作者: GEヘルスケアバイオサイエンス(株)藤元宏和
  • 出版社/メーカー: パレード
  • 発売日: 2008/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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PS.藤本さんのコメントがtwitterにw 楽しく読ませていただいております!

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