世界三大学術誌Cell、最新号の表紙がタンパク質を擬人化した女の子ということで話題に

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Cell, Nature, Science、これら三つの雑誌は科学界で最も権威ある雑誌として知られ、まとめてCNSと略されます。
Cellは細胞生物学の専門誌なので物理系・化学系の人には馴染みがないですが、「ノーベル賞を受賞された山中先生がiPS細胞の論文を最初に報告した雑誌がCell」と言えば多くの人に凄い雑誌だと分かって頂けると思います。

 

東大の研究グループがCellに出した

さて、今回話題になった論文、実は日本の研究グループが発表しました。この表紙はFXBL21FXBL3という2つのタンパク質が協調することで体内時計を調節することを表現しています。
原画には「散る花の文様の着物を着た娘は時計を進め、咲く花の文様の着物を着た娘は時計を戻す」というタンパク質の機能に付いての寓意が込められているそうです(ブコメより)。

この表紙の原案は同研究室の@hirosekentarrowさんであり、それを元にYuki Takahashiさんが描かれました。

 

体内時計ってなに?

生物の睡眠・覚醒リズムに代表される1日周期の生理リズムのことを概日リズムと言います。概日リズムは複数のタンパク質によって複雑に制御され、このリズムが乱れると睡眠障害が起こったり高血圧になったりします。さらに驚くことに体内時計が癌や成人病と言った病気に関わることが分かってきており、概日リズムを制御する分子メカニズムを解明することは非常に重要な意義を持ちます。

 

体内時計を制御する分子メカニズムの一端を明らかにした

今回の論文は「タンパク質の分解を制御すると予想された分子が、逆にタンパク質の安定性を高める」という発見に大きな驚きがあります。

詳細が気になる人はプレスリリース記事を読んで下さい。

 

ジョジョの荒木飛呂彦先生もCellの表紙を描いたことがある

Cellの表紙は非常にユニークであり、また芸術的な価値も高いことが知られています。

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日本の研究グループがCell誌に「脳内の壊し屋タンパク質Scrapperを発見」という論文を発表した時、荒木飛呂彦先生がScrapperタンパク質を擬スタンド化した事は有名なお話です。

 

みんなで科学雑誌のイラストを眺めよう

学術雑誌は本屋で打っているような雑誌と同じで有料です。また全てが英語で書かれているため、科学に馴染みがない人が読むのは敷居が高いでしょう。

しかしCellとその系列誌は前述したようにアートワークがとても面白く、それを見ているだけで楽しい気分になれます。
Cell
Molecular Cell
Cell Stem Cell
Immunity

日本発の学術雑誌であるGenes to CellsもJAPANを前面に押し出したアートワークが注目されています。

研究の内容は難しくてわからないという人も、世界の研究者がどのような意図で表紙絵を作ったのかについて思いを馳せてみてはどうでしょうか?

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